PALM LOOP™への想い

ベッドの開発ストーリー

みなさんは、PALM LOOP™という素材をご存知ですか。きっと初めて耳にされた方も多いことでしょう。伐採されたアブラヤシという植物を原料とする素材で、フェリシアークではベッドフレームの材料として採用しています。

なぜフェリシアークのベッドフレームにPALM LOOP™を採用することになったのか。それを紐解くカギは、アブラヤシが抱えるある問題にあります。そしてその問題は、わたしたちの生活に欠かせない「パームオイル」を採取する過程で生まれているのです。

実は身近な「パームオイル」

パームオイルは、アブラヤシから採取される油なのですが、植物生まれの万能油として人気が高く、世界で一番生産されている植物油です。日本では菜種油の次に多く使われている油であり、実はわたしたちも毎日のようにパームオイルにふれています。

たとえば、パンやドーナツ、チョコレート、アイスクリーム、カップ麺、ポテトチップス、ビスケット、カレーのルー、乳児用粉ミルク、ホイップクリームと多くの食べ物に使われています。

さらに、洗剤やシャンプー、口紅、塗料、ねり歯磨きなど、食品以外の製品にも多く使われており、スーパーで売られている商品のおよそ半分にパームオイルが含まれていると言われています。まさにわれわれの生活にはなくてはならない油なのです。

そんなわけで、日本人1人あたりのパームオイルの年間消費量は約5kgにもなると言われています。全世界で使われているパームオイルは、地球上で大量に摂取されており、その生産量はなんと毎年約7000万トン! 主にインドネシアやマレーシアといった国で生産されています 。

でも、日常でパームオイルという単語を目にすることはほとんどありませんよね。その最大の理由は、パームオイル自体が日本人にとって馴染みが薄いからです。日本では菜種油やごま油、オリーブ油がキッチンに並ぶことはあっても、パームオイルをそのまま料理に使うことはほとんどありません。

もうひとつの理由は、パームオイルは加工食品の原材料として使われることが多いためです。加工食品の原材料に使われると「パームオイル」として表示されることはほとんどなく、別の名前で明記されます。そのため、いまいちパームオイルと言われてもピンとこない方が多いのです。

森林の減少と温暖化の問題

パームオイルは、アブラヤシを植えてから25~30年が経過するとようやく採れるようになります。そしてパームオイルの採取が終わると、アブラヤシはお役御免で伐採されてしまいます。そのため、インドネシアやマレーシアでは、伐採後のアブラヤシが大量に農園に放置されていました。

やがて腐敗や分解が進むわけですが、その過程においてはメタンガスを含む温室効果ガスを大量に排出。大量のアブラヤシから温室効果ガスがどんどん排出されるわけですから、環境に対する影響も計り知れないものになります。さらに、放置されたアブラヤシは再利用することも、処分することも難しく、焼き畑が行われることもあり、さらなるCO2(二酸化炭素)の排出と森林の減少につながっていました。

メタンガスには、CO2(二酸化炭素)のおよそ25倍もの温室効果があると言われています。恐ろしいですね。

わたしたちがPALM LOOP™を使う理由

パームオイルが生活に欠かせない油であるとはいえ、温暖化に大きな影響を与えているこの状態はそのままにしておけません。

PALM LOOP™はこれまで再利用が難しかった伐採後のアブラヤシを原料として、日本の大企業であるパナソニック社が開発した素材です。 日本のモノづくりにおける技術によって生み出され、木材に代わる素材として注目されています。

フェリシアークとPALM LOOP™の出会いは2021年。わたしたちが無理のない範囲で、未来のためにできることを。わたしたちはこの思いを実現してくれる素材こそ、 PALM LOOP™だと考えました。すぐにマレーシアに足を運んで現場を見に行き、そして、パナソニック社に直談判。PALM LOOP™を使って何とかベッドを生産したいと、ベッドを作れる工場を探し回りました。そしてようやくわたしたちの想いが形になりました。

フェリシアークのベッドは、パームオイルを生み出してくれるアブラヤシへの感謝と、未来の地球をより良いものにとの想いがつまった商品です。

※「PALM LOOP™」はパナソニック株式会社の商標です